忙しい人のためのpetー壊れた水槽ー
こんばんは私です。
舞台「pet」ー壊れた水槽ー全7公演終了いたしました。ご観劇いただきました皆様、誠にありがとうございました。次回ー虹のある場所ーは来年7月下旬に公演予定です。引き続きアニメと合わせて「pet」プロジェクトをよろしくお願いいたします。#pet_stage
— TVアニメ&舞台「pet」公式 (@pet_anime) December 9, 2018
そんなわけで、5日間7公演お疲れ様でした。
思えば顔合わせから大千穐楽までめちゃくちゃ短い公演でしたね…。トータルで1ヶ月もなかった気がする。
そもそも公演期間が5日間7公演しかなく、平日がソワレのみだったので若干日数はあるものの今年の舞台ではモニタリンGoodに次いで短い公演でした。最初は普通に全通を考えてたんですけど、推しくんが!!!!12日に現場ぶっこんでくるから!!!!!
地方のジリ貧一般社会人は9月に無理を通しすぎたのもあり、さすがに年末も押し迫ったこの時期に一週間以上仕事もバイトも休んで東京に住むわけにもいかず、涙を飲んでpetは初日と土日だけ行きました。関東民だったら確実に全通してたんだけどなあ…もしくはせめて12日がなければゴリ押し全通出来たんだけど、まあしょうがない。
板の上以外の部分の話をすると、pet公式くんは福利厚生が手厚く、まあ現場は当たらなかったものの結構がっつりした制作発表の生配信に始まり、稽古場のVR配信、チマチマとした動画(何故か今時GIF)や初日・千穐楽のペリスコなど、なんか短い期間でやたら映像を繰り出してきた印象。とてもありがたかったです。
VRといえばプレミアム特典がVRゴーグルだったんですが、紙製の簡易とはいえ結構しっかりした作りの出来の良いものでこれはこれですごい。推しが!!!目の前に!!!!いる!!!!!!
‥‥まあどう考えても5個もいらないということに初日前から薄々気付いてはいました。全通してたら7個だったんだよなコレ。多ステに優しくなさすぎる特典ワロタ…折りたたみじゃないからめちゃくちゃかさばるんですよ…。しかし気付いたところでどうにもならず、もらわなきゃいいんだけどオマケについてくるブロは欲しいんだよ!あと根が貧乏性なので、もらえる権利のあるものをスルーするという選択肢がないのであった。
とか言ってたら周囲の友人知人がわりとガチで羨ましがっていたので、配り倒して(半ば押し付けた人もいる、スマン)無事手元に一個となりました。みんな、自分の推しがスマホで見れるVRコンテンツに出た折には、是非役立ててくれよな!AV見るのに使うって言ってた人もいたけど…wってか今はそんなAVあるんだ…!?エロの技術革新…!
さて、そんなpetでしたが、舞台そのものは下半期まとめ記事にも書いたように個人的にはちょっと微妙でした。あっ、ちなみにこのブログは思った感想を素直に書くブログなので批判的な意見を見たくない人は読まないで下さいね!
キャストさんの演技は全員素晴らしかったです!!
ストーリーは依存&依存そして依存、みたいな登場人物共依存祭りって感じなんですが、舞台版だからこそ!という点はまさにそこでした。あの人と人との歪んだ執着は漫画だともうちょっとファンタジーに受け止められたところ、実際の人間が演じるが故に原作以上に生々しくダイレクトに伝わってきた感じがしました。もちろんそこはキャストの演技力あってのことですけども。
推しくんはいつも通りの安定感でしたが、ほんとにみんな良かった。特に桑野くんの、司の狂気が加速していく感じやばかったな。あと桂木ですね!!!原作だともっと臭そうなオッサンだから見た目はどうしても随分スタイリッシュでダンディになっちゃってるんですけど、あのなんとも言えない感じ悪さはちゃんとあって、君沢さんああいう役も出来るんだなあ…!と感動しました。とは言え、舞台しか知らない人には今んとこ桂木ってただの顔はいいけど感じのわるい中間管理職のオッサンくらいの印象だと思うんですけど、軽いネタバレになりますが彼は後半の重要キャラなので、ほんと続編が楽しみです。
そういえばマイクなしの生声だったんですが、あんまり2.5だとないことなので、そこも演劇!!って感じがして良かったです。
推しくんはまあ、相変わらず喜怒哀楽の激しい演技は本当に大好きだし、贔屓目抜きに素晴らしいと思います。舞台上で放出するエネルギー量の格が違うんですよね。
ただリボルバーと微妙にキャラがかぶっていたので(……)個人的には終始デジャヴを感じながら見ることとなってしまい…いや、推しのああいう演技は大好物だからいいんですけどね!さすがにね!
っていうか、細かいことをいうとその前の阿久津くんとも被ってるとこあったんですよねえ。ちゃんとキャラごとに違う部分もあるので、別にワンパターンだとまで言うつもりはないんですけど…正直あまりに時期が近すぎてやっぱり似た印象を受けてしまったのはちょっと残念。
いつも推しくんの感情の振り幅のでかい演技にはすごく引きずられてしんどくなってしまうんですが、さすがに死神・ボルと続いたので(間に松を挟みはしたけども)わりと食傷気味になってしまったというか、虚無ではないんですけどなんかちょっと冷静に見てしまったな…。お、おう、がんばれよヒロキ…みたいな。
少し辛辣なことを言えば、今年は立て続けに同系統の役をやったことで、こういう系統のキャラの引き出しの少なさが露呈してしまった感はあるとちょっと思いました。いわゆる当たり役というやつだからこそ、演じ分けが難しい部分はあると思うんですけど。
まあいまいち感情移入しきれなかったのも、多分脚本演出のせいなんですよね。
この「pet」という作品は推しくんの制作発表で初めて知ったのですが、元々原作者の先生の他の作品が好きだったのもあり、決まって即キンドルで原作を買って読みました。いやあそれはもうすごい作品で……一度では飲み込みきれず、何度か読み返したりしました。語彙力がないのでネタバレ避けると「すごい」としか言えないんですが、とにかくすごいです。舞台に興味ない人もよければぜひ。
原作のプレゼンを始めそうになってしまった…そうじゃない。
で、まあそんなすごい原作なんですが、とにかくビジュアル的にも異彩を放っている作品であること、視覚に訴える部分が多いため、これ舞台にするってどうするんだろう…って期待値上げすぎてた部分があると思うんですよ。でも結局はお得意のマッピング多用演出だったのでそこは普通に残念でした…。マッピング多用されると演者の顔に映るからあんま好きじゃないんですよね。それならいっそ逆手に取ってヒロキの顔面にウロコ映すくらいのことやって欲しかった。
しかも草月ホール、構造がマッピング舞台にあまりにも向いてなさすぎじゃないですか?正直正面から見ないと全く映えない演出だったのに、なんであんな六角形のホールでやろうと思ったのか問い詰めたいです。座席によって見える見えないがある程度あるのはどの作品でも同じだし仕方ない部分でもあるのですが、さすがに正面以外だと安っぽくて興ざめするような演出効果はどうなんだろうか。
よりによって初日がサイド席でガッカリ感がすごかったんですよね…。せめて初日に後方でもいいからセンターで見れれば違った感想を持てたのかもしれないんですが、初日がまあまあ前方の上手端だったせいで、マッピングがよく見えない&全部横から見えてしまうので、学生演劇か!?みたいな安っぽい演出にしか見えなくてその印象が強く残ってしまったのが悔やまれます。
あとせっかくの(正面から見れれば)美しいマッピング演出なのに、舞台の照明の距離が近いせいで白飛びして薄くなっちゃってるのも残念すぎた。あれも舞台が狭いからなんだよなあ。照明が暗くなるシーンではすごく綺麗だったけど、肝心の演者が板上にいるところでは色が薄くなっちゃうのが…。
脚本もちょっとウーンっていう感じでした。
あからさまに「後編に続く!」というあの終わり方に関しては、賛否あるとは思いますが私はこの作品は最初から前後編と銘打ってるのであれで良いと思います。映画でもよくあるパターンですしね。続くなんて言ってもないし次回作の発表もされてないのに「次回に続く!」みたいな終わり方する2.5なんて山のようにあることを思えば、ちゃんと前後編で完結するのがわかってるのであれは個人的には許容範囲。
ただ、前後編とはいえ舞台にする以上ある程度エピソードが略されたり改変されたりするのは仕方ないことだとは思うんですが……その取捨選択がことごとく私の好みに合わなかったんですよね…。この短い時間で、そのエピ残すのにこのエピ削るの!?あのセリフ削ったのに、そのセリフいる!?のオンパレードで。あくまで個人の感想ですよ!
原作読まずに見た方が良かったかなあ…と後悔しましたが、でも原作読まずに見たらそれはそれで説明不足感があってちょっとわかりづらかった気がするし。
なんか「忙しい人のためのpet」感がすごかった。
そう言えばちょっと前に、課長島耕作と君に届けの比較コラムが話題になったんですよ。
急になんの話!?って感じだと思いますが、今回のpetの脚本の印象、「島耕作の作者が君に届けを書いたらこうなった」みたいな情緒のなさを感じました。(島耕作への風評被害)
「じゃ セレブレーションシンクロ*1しよか」「了解」みたいなお手軽さを感じたというか。(そんなシーンはない)
いやまったく司とか本当に!本人の演技はめちゃめちゃいいのに、林さんへの思慕とかあまりにも唐突だし。そのせいでヒロキへの依存もなんか薄っぺらく感じてしまうし。ヒロキはまあ主人公らしいまっすぐさと依存相手が司一人なのもあって、ある程度思考に一貫性があったのでまだ安心して見れたんですけど。
あと普通に脚本練ってなさすぎじゃなかった…?原作のセリフそのまんま引っ張ってきてるせいで、流れ的にそのセリフおかしいでしょ!?ってとこがちょいちょいあってすごい気になってしまったんですよね…。時系列が明らかにおかしかったり。
と、まあ色々思うところはあったんですが、役者さんたちはみんな好きだし原作も好きなので、後編どうまとめるのか楽しみにしてます。
その前にアニメだよね!多分アニメの方がおすすめだと思うので(オイ)興味がちょっと湧いたという人は是非アニメを見て欲しいです!いつからやるのかすらまだわからんけど!!
ところで大楽に推しくんのアレがアレするという超大事故*2があったんですけど、大楽を観に言った我々観客は全員ヒロキさんに記憶の一部を消されたことになっているので、終盤の超大事なシーンで●●が取れたこととか全く覚えてないです!大丈夫!!