生きてるだけでありがたみ

推しくんがずっと好きな仕事をしていられますように

少年の夢見たものは〜舞台『RE:VOLVER』

 

 

あっという間に三日目になってしまったんですけど、初日おめでとうございました!!!

 

今回オリジナルということで事前情報がほとんどなくてどんなお話なのかワクワクしてたんですけど、蓋を開ければわりと王道の少年漫画で、良い意味でこれ何も知らない人が観たら原作を探しそうなくらいの2.5感のある舞台だったなと思います。

 

広げた風呂敷のたたみ方が実に上手くて、終わった後清々しさがあった。

正直、二次創作脳の持ち主なのでどうしても物語の終わりは先のことを考えてしまって、まああの終わり方なのでイヤイヤこの先どうすんの!?とはちょっと思うんですけどもw でもひとつの読み切り作品としてはとても綺麗なラストだとは思うんですよね。

あととにかく情報量が多くて初見だとちょいちょい引っかかりもあるんですけど、でも「引っかかっても置いていかれることがない」というのがすごいなあと。

大黒柱となっている根幹のストーリー部分が良い意味でとてもわかりやすいので、多少わかんなかったことがあっても力技で「こういうもんだ!」ってストーリーに引き込まれるし、観てる側も「まあいっか!次見る時考えよ!」でスルー出来るっていう。

現在と過去の切り替わりが最初ちょっとわかりづらくて「???」ってなったんですがすぐに慣れました。あと、センター街の船だとか、イトウやアラキの本心とか、わりと観てるとわかりやすくて答えあわせが出て来た時に「あ〜やっぱりな!だと思ってた!」ってなるんですけど、それは隠すのが下手なんじゃなくてむしろある程度物語の細かいところまで見る人間はちゃんと気付く様に伏線の散らし方が上手い感じで、そういうところも漫画っぽさが強い舞台だった。

アクションもとても二次元的でかっこよかった!以前ブログに書いたようにそもそも推しくんの殺陣自体がいつもすごく二次元の小柄パワーキャラのそれで大好きなんですけど、今回他の人も含めて全体的にアニメみたいな動きで!連番した友人が「生身の人間があの動き出来るんだ!?と思ってビックリした」って言ってたくらい。

しかし、とにかくアクションが多いし初日はちょいちょいハラハラする場面もあったので怪我なく終わって欲しいです。

 

素晴らしい舞台だったんですが、ひとつだけ残念だったなと思ったのは、推しくんが思ってた以上にわりといつもの推しくんだったことですね!w

あっ演技がダメって意味では全くないです、いつも通り期待以上のものを見せてくれる推しくんだったんですけど。キャラクター的に、の話。

生放送で最初に解禁された時によしたに先生の話っぷりでは今までにない推しくん、悪い推しくんって話で、結構なダークヒーローっぷりを期待してたので、わりとそういう意味であっ結局あんまり冒険出来なかったんだな…wという感想は抱いてしまった。いや、好きなんですけどね!!!

とりあえずアラキさんアラキさんってキャッキャしてるスズキくんをみながら、兄貴分を盲目的に慕う役、今年何回目だっけな…( ˘ω˘ )‏とぼんやり考えたりもしました。(笑)

今回のキャラでいうならそれこそ鷹城くらいのレベルのワルをいつか見てみたいんですよね。

 

その聖木(スズキ)くん(どうしても漢字表記だとヒジキと読んでしまう)

英雄の子孫でありながらコソ泥として生きる彼が夢見たものは、本当に『外の世界』だったんだろうか、と少し考えさせられました。

というのも最後の二人のバトルを見ていて、彼の本当の夢は別に都市からの脱出や外の世界を見ることではなく、『仲間とともに何かをなし得ること』そのものだったんじゃないのかなあ、と思ったんです。沈みゆく街を見て「あんなに出て行きたかったのに、今は守りたいと思っている」(ウロ覚えなのでニュアンス)と言った時、彼は故郷であるこの都市を憎んでいたわけではないと感じたんですよね。

それは突き詰めれば個人の我儘に周囲を巻き込んだだけということになってしまうのだけれど、少年漫画の主人公ってのは得てしてそういうものじゃないですか。正義(あるいは勝利)のため、という大義名分で己の我儘に周りを巻き込む。そう考えるとただの迷惑なやつなんだけど、持って生まれたカリスマでその理不尽に説得力を持たせてしまう、それがまさに少年漫画の王道主人公だと思います。

そう考えると彼はやはり少年漫画の主人公そのものだった。そして顔に似合わずガキ大将的気質を持ち合わせている推しくんには、そういう役がやっぱり似合います。

 

何か、でも、改めて考えると、彼はアラキさんと外の世界に行くことが出来なかったんですよね。ハッピーエンドだけど結局最後まで彼はアラキさんを吹っ切る事が出来てなかったなあってのもあって、それだけはすごく悲しくて、そう思った時にふと藤田さんと奥入瀬に行くことが出来なかった阿久津くんのことを思い出したりなどしました。

真逆のような世界観と空気感の舞台なのに、推しくんが演じるキャラが喪ったものが共通していて、なんだかちょっと切ない…。

 

あんまり深読みしすぎる考察はふさわしくないタイプの作品だと思うのですが、もう少し観て色々考えたいなとは思います。それをブログに書くかはわかんないけど!

 

 

初日出口のところで今回の脚演のよしたに先生がお見送りしてらして、握手してもらって挨拶させて頂いたんですが、めちゃくちゃ楽しみにしてたんですけどすっごく良かったです!面白かったです!ってお伝えした時にすごくホッと安心したような笑顔で嬉しそうに「そう言って頂けて本当に良かったです!」と返されたのが、とても印象的でした。よしたに先生ほどの方でも5年ぶりのオリジナルは不安だったんだなあ、と。

舞台って内容わかんないうちにチケット買うからなんだかんだ話題性と俳優人気でチケはほぼ売れたけど、実際始まってどう受け止められるかは本当に世に出すまでわからないものですしね。なんか、ものづくりをする人間のはしくれとして、よしたに先生ほどの人でもただの一人の物書きであり人間なんだなあ、と感慨深かった。

我々おたくは、役者の苦悩はわりと稽古期間なんかやバクステで垣間見ることが出来るけれど、作家の苦悩は出来上がったものからしかほとんど伺えないから、素晴らしい作品を作る人ほどなおさらそれは当たり前の様に受け止めてしまうのだけれど。ど素人の自主制作と同じように、世に出す瞬間の不安というのは等しくあるものなのだなあ、と、こーちゃん先生のあのホッとしたような笑顔で実感したのでした。

 

 

私はゆるおたなのであとは大阪公演待ちですけど、当日券も毎日出てるようですし大千秋楽ニコ生配信*1もあるので!

なんかこう王道少年漫画的な舞台観たい!って方はよろしければどうぞ。

私が都民だったら追いチケしてたんだけどな〜!

*1:ところでいつもなんですけど、自分が大楽入る時にLVや配信があると告知のたびに「観なきゃ!」とか「あっまだチケ買ってない…!?」って思ってから「…いや当日現場にいるわ」って思うのいい加減やめたいんだけどなんか毎回不安になってしまう