おめでとうとおつかれさま
推しの主演ミュージカルの楽を見届けて来ました。
大千穐楽のカテコ挨拶で出て来た瞬間、推し始めてから今まで一度も見た事がないような晴れやかな顔で出て来た推しにびっくりして、笑いながら泣いてしまった。
基本、カテコでも例え役でなく素に戻っても、ネタ以外で「客前の役者である」という感覚を崩すことがない人だから、あんな憑き物が落ちたような表情を舞台上でするなんて、あんなに心底自分の「終わった!!」という感情を爆発させる事なんてないと思ってた。悪ふざけしてる時以外で、初めて見た年相応の顔かもしれない。
地元大阪での主演舞台が初めて、と言ったのもびっくりした。ほんとだ、大阪では一度もなかった。そうか、初めてか…。地方楽は色々言われるけど、今回はほんとに大阪で良かったなと思う。大千穐楽が地元だったのは感無量だったろうな。
思えば、アニメの主演声優も、他人が命を吹き込んだキャラクターのトレースではなく自分で命を吹き込んだキャラの再構築も、初めての経験なのだった。
なんでも出来るみたいに思ってた推しくんだけど、私みたいな弱いにわかおたくでもまだまだ推しの「初めて」を共有出来ることがあったんだなと実感する。
壁にぶつかってたのも、試行錯誤したのも知ってる、頑張って来たのもちゃんと見てたけど、それでもどっかで私の中で彼は役者としては完璧超人で、最後には飄々とこちらの心配も期待も乗り越えていくから、私はただそれを「推しはいつもすごいなあ」というクソみたいな語彙力で受け止めるだけ、それが推しくんだと思ってた。
でも、あんな顔するんだなあ。
十年この世界にいて、若手俳優と呼ばれる界隈ではもうベテラン扱いの推しくんだけど、まだまだ発展途上の若者なんだな、と当たり前のことを実感して、なんだかじんわりと感じ入っている。
奇しくも、心配は応援じゃないのか?って話題がちょっと上がってたけど、私は少しくらい心配させてくれる方が、ああプレッシャーがすごかったんだなとか、めちゃめちゃしんどかったんだなとか、そういう所が少しくらい見える方が安心するし、愛おしさも増すと思う。
心配するから、それを乗り越えてまたひとつ成長した推しを、改めて「推してて良かった」と思える。
推しも私も、生きてるって感じる。(笑)
まあそれでも、最後には余裕で乗り越えてしまう推しくんがやっぱり好きだけどね。
推し始めてから今までで、今日ほど推してて良かったと思ったことはない。
素晴らしい舞台だったけど、今はまだ、ただただおめでとうとおつかれさまという言葉しか出てこないので、舞台の感想はまた気が向いたら…